2020年夏休みのハイライトの一つは、ドイツで一番高い山ツークシュピッツェに登ろうというものでした。といっても徒歩で登ろうというのではなく、文明の利器を大いに活用させてもらいました。
このツークシュピッツェ、ドイツとオーストリアの国境上にありまして、ドイツ側からは乗り物で二通りの行き方があります。いずれも、スキースポーツで有名なガルミッシュ・パルテンキルヒェンの街の郊外、アイプ湖(Eibsee)駅から。
ロープウェー一本で1945メートルの標高差を、一気にツークシュピッツェ駅まで上ってしまうルート、こちらの所要時間はたったの10分!この大型ロープウェイは、それまであった小型のものを改良拡大して、2017年に開業したそうです。1台の収容人数は最大120人とのことで、近くで見ると結構迫力!ですが新型コロナ感染防止のため、定員を40人に制限して運行していました。
もう一つは登山列車に45分ほど乗った後、頂上の300メートルほど下のツークシュピッツェ平原駅で乗り換えて、そこからロープウェイでツークシュピッツェ駅へ上る方法。私たちが行った日、車でアイプゼー駅に10時ごろ着いたときには、既に大型ロープウェーには1時間以上の待ち時間が!暑い中に待つのはつらいなぁと思っていたところ、運よく登山列車の発車時刻が近かったので、上りは登山列車&ロープウェイで登って、帰りに大型ロープウェイで下ってこようということになりました。
登山列車は2020年に開業90周年を迎えたそうですが、いや~、人間ってすごいですね。こんな急な山の中に、それも4.5キロメートルのトンネルを掘りぬいて鉄道を通してしまうなんて。それも技術もあまり発達していない90年前に。
ここのサイトでは登山列車線路建設のようすが見られて、建設作業に携わった人たちの苦労が伺えます。
登山列車に揺られて20分ほどすると列車はトンネルに入り、気温もどんどん下がってゆくのがわかります。ひんやりとした空気は気持ちいいですが、さすがに寒いのでフリースとウィンドブレーカーを重ね着。
そして到着した終点のツークシュピッツェ平原駅。半分トンネルの中のような様子で薄暗い建物から外に出たとたん、目に入ったのは真っ青な空と万年雪。この日はお天気にもとても恵まれたこともあり、周りの山々と空が遠くまで見渡せ、格好の登山日和でした。
しばらく平原駅の周りで雪遊びをしたり散策したりした後、ロープウェイで頂上のツークシュピッツェ駅へ。レストランやビアガーデン、オーストリアアルプスの稜線を臨める眺めのいいテラスもあり、かなりにぎわっていました。そこからツークシュピッツェの頂上に続く道もにも行列が。
山頂も、狭いところがずいぶん混んでいます。いかにも徒歩登攀してきましたという感じの登山上級者っぽい、装備が整った人達に交じって、結構軽装でスニーカー履きの人もちらほら。(2021年3月29日追記:私たちが行った一週間ほど後のニュースで聞いたところによると、軽装のまま山頂まで行こうとする人があまりに多くて危険なので、登山装備がない人の登頂は禁止になったとか・・・。)
天気が良かったので、ここから下のふもとのアイプ湖も眺めることもできました。
こんなところにカラスでしょうか。
大型ロープウェイに乗って帰るころにはガスってきて、頂上駅も雲に包まれてしまいました。1時間半並んでやっとロープウェイに乗れましたが、通常の3分の1の定員での運行だったので、待ち時間も長くなってしまったということでしょう。でもそのおかげか、ゴンドラの中はぎゅうぎゅう詰めでなく、周りの景色を楽しめながらの10分間。無事にふもとのアイプ湖駅に戻ってきました。
それにしてもお天気に恵まれた1日でした。またいきたいなぁ。
読んでくださりどうもありがとうございました。