アルゴイとオーバーバイエルンの魅力 ー その他もろもろ ー を語ってみるブログ

【番外編:オーストリア】氷の洞窟 Eisriesenwelt でまるで異世界体験

ベルヒテスガーデンでの夏休み。そのうち1日はちょっと足を延ばしてオーストリアまで行ってみることにしました。国境を超えるとはいえ、そもそも国境に近いベルヒテスガーデン。オーストリアのザルツブルクまで車で40分程度でつきます。国は分かれているものの、この地方のダイナミックで雄大な自然にはドイツもオーストリアも関係ないですからね。

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ドイツ南東、オーストリアに半島のように突き出たベルヒテスガーデナーランド地方。https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/85/Berchtesgadener_Land.svg/450px-Berchtesgadener_Land.svg.png

この日の行き先に選んだのは、ベルヒテスガーデンから直線で見て南東にある氷の洞窟アイスリーゼンヴェルトEisriesenwelt。なんでも洞穴の総延長は40キロメートル以上もあり、世界最大の氷の洞窟だそうです。

www.eisriesenwelt.at

洞窟の中はもちろん氷点下なので、防寒具は必須。夏休みの旅行にも関わらず、この時はヒートテックの下着、フリースにウィンドブレーカー、毛糸の帽子と手袋、そして厚靴下、レインコートのズボンを用意していきました。

ベルヒテスガーデンからちょっと北上してオーストリアに入り、南下すること40分ほどで、洞窟見学のためのビジターセンターに到着しました。ここでチケットを買ってから、洞窟までの道を上っていきます(2021年6月17日現在、コロナ感染拡大防止のため、事前予約が必要)。洞窟につくまでは、ここから15分ほど歩いた後ロープウェーに乗り、さらにまた15分ほど歩きます。見下ろすとふもとの街や川がはるか下のほうに見え、向かい側の山のほうに目をやると、雲が視線より下を漂っています。ずいぶん高いところまで登ってきました。

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高くまで登ってきました。

そうして山肌に沿うように整備された道を上っていくと、見えてきました、洞窟の入り口が。山腹にぽっかりと口を開けたその様子、かなり迫力があります。

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山腹に洞窟の入り口が見えてきました。

 

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洞窟の穴から外を見るとこんな感じ。

山の中腹、標高1641メートルのところに穴があるこの洞窟、1879年にこの地方の探検家によって発見されたそうです。総延長40キロメートルのうち見学できるのはその一部。ですが、ガイドさんに引率されて70分ほどのガイドツアー。見学ルートへの入り口の扉が明けられると、ものすごい風がブワァーと噴き出してきました。夏と冬によって異なる洞窟の中と外の温度差が、こうした空気の流れを生んでいるそうです。

見学ルート上では登ったり下りたり、狭いトンネルのようなところがあったり、広いホールのように開けたところがあったり。つららや氷柱、氷のカーテン、滝のようにしなだれ落ちるような氷の壁、湖のように広く張った氷・・・。自然が長い年月をかけて作り出した洞窟と氷の造形を堪能するのに十分です。ちなみに、見学中の安全確保のためもあり、写真撮影は禁止されています。

見学順路には足場や階段が整備されいますが、中は大々的にライトアップしたりはしていません。見学の際には、見学者にはランタンが貸し出され、ガイドさんはもう少し明るく照らせるマグネシウムランプを持っていきます。とにかく薄暗い中を進むのですが、これまた神秘的雰囲気を倍増させます。洞窟内のいろいろな場所には、○○ホール、○○の砦、○○チャペル、○○の塔、○○の壁などなど、大きな建築物を連想させる名前がついています。

洞窟をめぐり氷の造形を堪能したことはもちろんですが、あと一つ、ここで忘れられないことが。ガイドツアーも終わりに近づくころに着くのが、この洞窟で一番大きく開けた空間「氷の宮殿」。ここでガイドさんが「洞窟の中の世界を本当に体験してもらいましょう」と。そして全員ランプの灯を消すと・・・。そこは漆黒の暗闇、真っ黒黒の真っ暗。明かりも何もないので当然と言えば当然ですが、自分で目を開けているのかどうかも分からなくなるくらい。目を開けているのに、自分の目の前で手を振ってみても全然見えない。手を動かしている感覚と視覚の情報が全然合わず、めまいがしてきそうそしでした。

70分はかなり結構あっという間に過ぎたなぁというのが私の感想ですが、上り下りもあり歩く距離もあるので、当時7歳と10歳だった子供たちはには、結構な運動量だったようです。防寒はしっかりしていたので、凍えずに見学できたのはよかったですが、足元はスニーカーだったので、足先が冷えてきたのは盲点でした。また、見学中の通路の手すりは金属なので冷たく、冬用の手袋をしていてよかったなぁと思いました。

とにもかくにも、この日も自然の雄大さと不思議を体験した一日でした。また行きたいなぁ。

読んでくださってどうもありがとうございました。