ベルヒテスガーデンで夏休みを過ごした2014年。国境を越えたオーストリアに1日足を延ばしてみたが、その日訪れたのは氷の洞窟Eisriesenweltともう一件、ホーエンヴェルフェン城 Burg Hohenwerfenでした。城と言ってもドイツ語でBurg、砦、要塞ですね。ザルツアッハ川沿いの小山の上に、この地域の防御のために最初に建てられたのは1077年。その後、拡張されたり農民の反乱によって大部分が破壊されたり、再建されたと思ったら牢獄として使われる期間があったり、所有者が変わって廃墟になったり・・・。(中略)1931年には火事で本館が完全に焼けてしまったのですが、当時城を所有していた大公が私財を投じて元の姿に再建させたそうです。
このホーエンヴェルフェン城、1968年に作られた映画『荒鷲の要塞』(あらわしのようさい、原題:Whwew Eagles Dare)のロケ地だったそうですが、その堅牢なつくり、周囲を囲む険しい山々、敵を寄せ付けないその雰囲気、ロケ地として使われたというのもうなずけます。
ふもとのチケット売り場で入場券を買い、ケーブルカーでお城の敷地まで登ります。ケーブルカーを使わずに徒歩で登れる道もあります。私たちはケーブルカーで登って、下りは徒歩でしました。城の中ではガイドツアーで見るもよし、興味の赴くままに見るもよし。武器や大砲、牢獄や拷問部屋、中世の戦の戦法などについての展示が充実していたように覚えています。
改めて外から見上げるお城はかなりの迫力。今日では庭園がきれいに整備されています。
私たちが訪れた日は時間が合わず見られなかったのですが、1日に2回、庭園で鷹狩りが公開されています。「鷹狩り」と書きましたが、鷹のほかにも鷲やハゲタカなど、この地方に生息する猛禽類が飛行と狩りの様子を見せてくれるんだそうですよ。お城とその後ろの険しい山を背景に飛ぶ大きな力強い鳥たち。ぜひ一度間近で見てみたいですね。
戦と反乱の時代を超えて、中世からの技術や建築、文化や生活を今に伝えるお城、ホーエンヴェルフェン。実際に中を歩いて見て、眺めて触ってにおいをかいで、肌で感じる体験をできます。歴史好きな人もそうでない人も楽しめるのではないでしょうか。
読んでくださってくださってありがとうございます。