アルゴイとオーバーバイエルンの山々とその周辺の地形は、アルプス山脈の造山運動と氷河期の氷河の動きによって特徴づけられたそうです。だからでしょう、ダイナミックで多様な自然・風景を満喫できるのも、この地方の特徴だと思います。私たちがこれまで訪れた地域でも、切り立った尾根とその側のカール地形、深く削られた峡谷、山肌にくっきりと露出した地層の縞模様、そして山々のふもとで水をたたえる湖・・・。思い出すだけでワクワクします。
そこでちょっと興味がわいて、ドイツで高い山ランキングを検索したところ、21位までのランキングデータがありました。3つの地域にまとまっているのがわかります。
地域の名称でいうとベルヒテスガーデナーラントBerchtesgadener Land(赤)、ヴェアデンフェルザーラントWerdenfelser Land(緑)、そしてオーバーアルゴイOberallgäu(青)のようですね。私たちのこれまでの旅行の行き先と被っているのは、知らぬ間にこれらの山々の魅力に引き寄せられていたせいでしょうか。
以前の記事で書いたツークシュピッツェは、もちろん堂々の1位ですね。
でも、私がイチオシしたいのは、ランキングでは3位のヴァッツマンWatzmann。その威容を見ればきっとわかります。その眺望には文句なしに圧倒されます。
ドイツの最南東、オーストリアに半島のように突き出た地域、ベルヒテスガーデナーラントにそびえたっています。2014年に訪れたところです。
ふもとの街、ベルヒテスガーデンBerchtesgadenからみられる姿は霊峰といってもいいかしれません。なんといっても圧がすごい、迫力がすごいです。写真ではその10分の1、いや100分の1もお伝え出来ないのが残念!
なんでも伝説によれば、はるか大昔、残忍で冷徹、横暴なヴァッツマンという王がこの地を支配し、民から大変恐れられていました。王の妃と子供たちも、同様でした。(中略)そんなヴァッツマン王と妃、子供たちは神の怒りをかい、岩に変えられてしまいました。・・・こんな話です。右の高い頂がヴァッツマン王、左の頂が妃、そしてその間のギザギザの頂が7人の子供たちという設定だそうです。
ちなみに、ヴァッツマンの東側のふもとにある、その名もケーニヒス湖Königssee(直訳:王の湖)は、このヴァッツマン王の血が流れてたまってできた湖だと伝説では言われているそうです。
名前の由来については諸説あるようですが、実際に血なまぐさい雰囲気などもちろん全くなく、ヴァッツマンの東壁にフィヨルドのように切り込んだ深い谷間にできた湖で、とても美しいところ。この地域は国立公園にも指定されていて、厳しい自然保護規則もあり、水質はそのまま飲んでも大丈夫なほどだそうです。ハイキング系のユーチューブ動画でケーニヒス湖沿いのハイキングを扱っているものを見ると、「水は現地調達」と言って湖の水を水筒に入れている人もいました。
ベルヒテスガーデナーラントには、自然だけにとどまらず、人間が作った圧巻の施設・見どころもありで、うちの子供たち(当時小1と小4)も楽しめる場所が多く、家族連れにもおススメだと思います。そういったところについても、追ってブログで書いていきたいですね。
ちなみにこの時泊まったのは、ベルヒテスガーデンの街から車で15分ほど行った、谷間にある巡礼の村、マリア・ゲルンでした。
読んでくださりどうもありがとうございました。